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贈与した側は確定申告が必要?贈与する時、申告する時はここに注意して!

確定申告書の画像
響き税理士法人集合写真

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個人から個人に財産が贈られるときに発生する税金、贈与税。では、贈与税とは誰が、どんな時に支払うのでしょうか?贈与した側、つまり贈与者は贈与があったことを税務署に報告する必要があるのでしょうか?

贈与税の仕組みをきちんと理解しないまま贈与をしてしまうと、思わぬトラブルに繋がる可能性もあります…。

そこで、今回は贈与にまつわる申告や注意点を解説し、贈与税が発生した時にスムーズな納税ができるよう、お話ししていきます。贈与は事前の準備と確認が大切です!しっかり理解して、実りある財産分与をしましょう!

贈与税とは?

相続税と書かれた積み木

「贈与」とは、個人が保有する財産を無償で他の人にあげることをいいます。

贈与税は親子間などにおいて上記のような「贈与」がなされたときに、発生する税金のことです。

贈与税の確定申告は誰が、どのようにする?

贈与が行われたときに発生する「贈与税」。では、贈与税は誰が申告をするのでしょうか?答えは財産を受け取った側、つまり「受贈者(じゅぞうしゃ)」が申告します。

贈与によって得る財産はある種の利益であるため、贈与は「所得」になり、所得税の確定申告が必要?と考える方もいるかもしれません。

しかし、贈与によって受ける利益はあくまでも「所得」ではなく「贈与」です。そのため、贈与税が発生した場合は、「所得税の確定申告」ではなく、「贈与税の申告」を行います。

ただし、法人から財産をもらい受けた場合は、贈与税ではなく「所得税」がかかるので注意しましょう。

贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに行わなければなりません。個人事業等で所得税の確定申告を行っている人は、確定申告と一緒に贈与税も申告する、と覚えておくと納付忘れを防げますね。

どんな時に贈与税は発生するの?

贈与税は原則として個人からもらった、すべての財産にかかります。しかし、例外としていくつかの財産の贈与については贈与税がかからないことになっています。

たとえば
以下のようなものには贈与税がかかりません。

  • 日常の生活費
  • 学校や塾などに支払う教育費
  • 年末年始の贈答
  • お見舞金
  • 結婚式の費用
  • 出産費用
  • お祝い金
  • お香典

贈与にあたるかどうかは、財産の性質や目的により判断されます。上記に示したように、日常生活を送るために必要な生活費や社会通念上相当と認められるお祝い金、お香典には贈与税はかかりません。

しかし、生活費や教育費として贈与されたお金を、金融機関に預金したり、株式・不動産など他の財産の購入資金としたりすると贈与税がかかるため、注意しましょう。受け取った財産はきちんと「名目通り」に扱うことが大切ですね。

贈与税の申告・納税は?

贈与税の申告・納税は、課税方法により異なります。贈与税の課税方法には「暦年課税」「相続時精算課税」のふたつがあります。

基本的には暦年課税が適用されますが、一定の要件を満たすことで相続時精算課税を選択することができます。

暦年(れきねん)課税とは?

暦年課税は毎年、110万円の基礎控除額があり、110万円を超えた部分(課税価格と言います)に税率をかけた金額が納税額となります。

贈与税の税率は、課税価格が高くなるほど税率が高くなる「累進課税」方式です。基礎控除額の他に、税率に応じた「控除額」があり、控除額もまた税率に併せて大きくなります。税率や控除額については、以下の表でご確認ください。

両親や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合は「特例贈与財産用」といって、贈与税の税率や控除額が優遇されます。

<特例贈与財産用>(特例税率)
基礎控除後の

課税価格

200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 4,500万円以下 4,500万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

【出典:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

兄弟姉妹、配偶者の父母、伯叔父母などは直系尊属ではありません。直系尊属以外からの贈与は「一般贈与財産用」の税率・控除額となり、特例贈与財産用よりも若干割高になるので注意しましょう。

<一般贈与財産用>(一般税率)
基礎控除後の

課税価格

200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

【出典:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

1年間のうち、贈与された財産が110万円以内であれば、贈与税はかからないため贈与税の申告は不要になります。また、この110万円は「財産を受け取る側」につき控除される金額です。

たとえば
父から80万円、母から50万円贈与された場合は130万円-110万円=20万円分が課税価格となります。

財産を渡す人(贈与者)ごとに110万円の控除が認められているわけではないので注意しましょう。

暦年課税では1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産について翌年の2月1日から3月15日に申告します。なお、前年にもらった財産の総額が基礎控除の110万円以内であれば、受贈者であっても申告の義務はありません

相続時精算課税とは?

相続時精算課税には2,500万円の特別控除があり、贈与額が2500万円までなら贈与税がかからず、特別控除を超えた部分に税率20%で贈与税が課税されます。

一見、2500万円も特別控除があっておトク!と感じる相続時精算課税制度ですが、大きな落とし穴もあります。それは「2500万円の財産が特別控除される」と言っても、その財産は「非課税」になるわけではないという点です。

相続時精算課税によって受け取った財産は相続が発生した時に、「相続税」として相続財産に加算されます。したがって、相続時精算課税制度は単純に節税対策にはならないので注意しましょう。

ちなみに、相続が起こったときにすでに支払っている贈与税があった場合には、受贈者の相続税額から差し引かれます。相続時精算課税は暦年課税と異なり、誰にでも適用できるわけではなく、贈与者と受贈者が直系の血族であることや制限された年齢をクリアした場合に選択できます。また、一度、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与は、以降暦年課税に変更することはできないため、メリットとデメリットをよく考えてから選択しましょう。

申告については暦年課税と同様で、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産について翌年の2月1日から3月15日に行います。暦年課税との大きな違いのひとつが、申告の義務です。

相続時精算課税はたとえ少額であっても贈与があった年には申告する必要があります。これは、税務署が贈与された財産の累計額を把握するためです。

申告を忘れてしまった場合、特別控除とすることができなくなり、一律20%の贈与税が課税され、さらには延滞税や無申告加算税が課されてしまいます。相続時精算課税は少額であっても申告しなければならない、と覚えておきましょう。

贈与税の納付がなくても、申告しないといけない場合がある?

電卓とボールペン

相続時精算課税を選択するわけではなく、贈与税も発生しないけど、贈与にあたって申告が必要になることがあります。それが、「贈与税が非課税となる特例」を利用する時です。

贈与税が非課税となる特例は以下のものがあります。

非課税となる特例
  1. 住宅取得資金の贈与 住宅のタイプにより1000万円もしくは500万円まで非課税
  2. 教育資金の一括贈与 1500万円もしくは500万円まで非課税
  3. 結婚・子育て資金の一括贈与 子育て資金1000万円、結婚資金300万円まで非課税
  4. 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)2000万円まで非課税

このうち、住宅取得資金、教育資金、結婚・子育て資金の贈与については適用期限が令和5(2023)年12月31日までとなっています。

また、2、3で、贈与者が亡くなった時や受贈者が一定年齢に達した時に使い残した金額がある場合、贈与とみなされたり、相続財産に加算されたりすることがあります。1~4の贈与は非課税枠の範囲内で、贈与税が発生しない場合であっても「必ず期限までに申告が必要」です。うっかりして申告を忘れた、しなかったという場合は非課税にならなくなってしまいます。

特に、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は厳しく、申告期限1日でも過ぎてしまったら非課税枠が利用できなくなります。

そうなると、暦年課税の非課税枠110万円を差し引いた部分に、累進課税の贈与税率を掛けた金額の贈与税を支払う必要があります。追い打ちをかけるように、延滞税と無申告加算税もプラスされるので通常以上の贈与税を支払わなければなりません。

例を挙げて説明しましょう。

住宅取得資金として800万円贈与されたとします。

住宅取得資金の非課税枠は1000万円なので、きちんと申告をすれば贈与額は0円、つまり非課税になります。しかし、申告を忘れた場合、800万円-110万円=690万円に贈与税が課税され、結果、少なくとも117万円の贈与税を納付しなければなりません…。さらに、納付の時期によって延滞税や無申告加算税もプラスされます。

特例を受ける場合は、必ず申告をするようにしましょう。

ちなみに、上記の四つの非課税制度は暦年贈与や相続時精算課税制度との併用が可能です。非課税制度と暦年贈与・相続時精算課税制度とを上手に組み合わせることで、非課税枠を最大限に生かすことができます。

ただし、先程説明したとおり、相続時精算課税制度は直系尊属からの贈与にのみ適用されるため、配偶者には適用できません。

非課税制度を受けられるかどうかやどのように制度を利用するべきかはなかなか難しい問題になります。制度の利用や贈与で悩むことがあれば、税理士に相談するのもよいでしょう。

相続財産に加算される贈与って?

先ほど、相続時精算課税で贈与された財産については相続時に相続財産に加算する、という説明をしました。実は、暦年課税で贈与された贈与財産についても、相続財産に加算されることがあります。

「相続が発生する3年以内に贈与された財産」は「生前贈与加算」として相続財産に含まれます。生前贈与加算は贈与税が発生しているかどうかに関係しません。つまり、暦年贈与の非課税枠内の110万円以内の財産であっても、生前贈与加算の対象になります。

たとえば
亡くなる直前の3年間に現金110万円ずつの贈与があった場合、この現金330万円は相続財産にプラスされるということですね。

相続発生の3年以内に支払った贈与税がある場合は、相続税から控除することができます。ただし、加算税や延滞税、利子税で支払った部分は控除できません。注意しましょう。

相続発生3年以内の贈与であっても、加算されない贈与財産もあります。以下の四つの財産は相続財産に加算されません。

加算されない贈与財産
  1. 贈与税の配偶者控除の特例が適用された金額
  2. 住宅取得等資金の非課税額
  3. 教育資金の非課税額
  4. 結婚・子育て資金の非課税金額

3、4の金額のうち、贈与者が亡くなった時に残額があった場合、相続財産に加算されることがあります。せっかく贈与税を徴収されずに渡すことのできた財産を、相続財産に加算されてしまうのは悔やまれるものです。贈与を行う際には、金額や期間も考えて計画的にできるとよいですね。

贈与した側は確定申告不要

繰り返しになりますが、贈与税の納付する義務があるのは「財産を受け取った人(受贈者)」です。したがって、贈与した側(贈与者)には納税の義務はありません

財産を動かしたことにより、なにかしら申告する必要があるように感じてしまいますが、申告も必要ありません。申告は受け取った側の「受贈者」だけに必要、と考えてOKです。

贈与者は申告する義務はありませんが、受け取る側(受贈者)には贈与税の申告をする可能性があります。受け取る財産が110万円を超える場合は、渡す際に受け取る人に贈与税が発生することを伝えて、お互いによく確認しておくとよいでしょう。

贈与を受けた人はしっかり確定申告を

確定申告と書かれたノートと電卓

贈与税の確定申告が必要な人は以下の通りです。

確定申告が必要な人
  • 110万円以上の財産の贈与を受けた人
  • 相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた人
  • 贈与税の非課税制度を利用した人(住宅取得資金、教育資金、子育て資金など)

上記に当てはまる人は、税務署に「贈与税の申告書」を提出しましょう。

原則、贈与を受けた人(受贈者)の住所を管轄する税務署に提出します。郵送や信書便による送付や税務署の時間外収受箱への投函のほか、便利なe-Taxでの提出も可能です。国税庁のホームページにアクセスし、データを入力するとカンタンに申告書が作成できます。作成したデータはe-Taxで送信、もしくは印刷して管轄税務署に提出します。

パソコンやプリンターなどの環境がない場合は、税務署に行けば申告書をもらえるので、手書きで作成しましょう。記入の仕方がわからない、不動産を贈与したいけど評価額がわからない…など疑問や心配がある場合は、どうぞお近くの税理士に相談してください。

【国税庁 e-Tax】https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

【国税庁 贈与税の申告サイト】https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/souzoku.htm

まとめ

贈与した側には確定申告の義務はないものの、贈与を受けた側には一定の手続きが必要なことをお伝えしました。贈与税にはいくつかの特例などがあり、納税がなくても申告が必要になる場合があることを説明しました。

特に、住宅取得資金の非課税特例などを使う場合には、申告期限に充分に注意しましょう。

財産を分け与えるにあたって、贈与するべきか、相続にするべきかは大きな悩みどころですね。財産の総額だけではなく、持っている財産が不動産なのか現預金なのか、渡したい相手が誰なのかによっても相続と贈与、どちらを選ぶべきかは異なります。

悩んだときには、税のプロに相談するのがよいでしょう。税理士はいろいろなパターンの相続や贈与に精通しているため、きっとより良い方法を導き出すお手伝いをしてくれます。

親から子へ、または祖父母から孫へなど愛する家族に、大切な財産を分け与える贈与。上手に利用して、大切な財産を大切な家族たちに遺していきたいですね。

響き税理士法人のスタッフ

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ABOUT US
税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。