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【ひな形あり】生前贈与契約書の作り方と注意点

税理士友野
税理士友野

財産の有効活用や税金対策といった理由で、配偶者、子ども、孫などに対して生前贈与を行おうとしている方もいるかと思います。

この記事では、生前贈与を行う際に作成する生前贈与契約書について、作成するメリットと作成方法を簡単に解説します。

生前贈与契約書を作成するメリット

生前贈与契約書とは?

生前贈与契約書とは、生前贈与に関する契約を行う際に作成する書面のことをいいます。

贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによってその効力を生じる契約であるため(民法549条)、生前贈与契約書には①無償で与える財産が特定できる情報、②無償で相手方に与える意思の表示、③相手方の受諾の三点を盛り込む必要があります。

作成するメリット

生前贈与契約書を作成するメリットは次の二点です。

  1. 贈与の事実を証明できる
  2. 贈与契約の確実な履行を請求できる

一点目について、生前贈与契約書を締結しておけば、贈与があった事実を贈与者(財産の贈与をする人)及び受贈者(財産の贈与を受ける人)以外の第三者にも示すことができます。

このことは、たとえば相続税の税務調査が入ったときに贈与があった事実を税務調査官に説明したり、遺産分割協議において贈与があった事実を受贈者以外の相続人に示したりするときに役に立ちます。

二点目について、契約は口頭でも成立しますし、契約の成立には法令に特別の定めがある場合を除いて書面の作成その他の方式を具備することを要しませんが(民法522条2項)、贈与契約については特別なルールがあります。

すなわち、すでに贈与が行われた部分を除いて、書面によらない贈与は各当事者が自由に解除できるというルールです(民法550条)。

つまり、書面によらずに口約束でした贈与契約は、あとで相手方(特に贈与者側)から「やっぱりやめた」と言われるリスクがあります。

こういった事態を回避するためにも、贈与契約は書面で締結することが望ましいといえます。

生前贈与契約書の作成方法

盛り込むべき内容

上述したとおり、生前贈与契約書には①無償で与える財産が特定できる情報、②無償で相手方に与える意思の表示、③相手方の受諾の三点を盛り込むことが必要ですが、その他の情報として、当事者(贈与者及び受贈者)が特定できる情報(住所と氏名)、贈与契約書に押印をした日、贈与の履行期(贈与をいつまでに履行するか)も記載する必要があります。

収入印紙の貼付は必要?

生前贈与契約書に収入印紙の貼付が必要かどうかは、贈与する財産が何かで結論が異なります。

たとえば、贈与する財産が現金であれば印紙税は課されないため、収入印紙の貼付は不要です。

一方、贈与する財産が不動産(土地・建物)であればその贈与契約書に対して印紙税が課されるため、贈与契約書に収入印紙を貼付する必要があります

この場合、契約書に貼付すべき印紙税の額は、「契約金額の記載のないもの」として200円となります(負担付贈与の場合はこの限りではありません)。

不動産贈与契約書のひな形

まず、不動産を贈与する場合のひな形を紹介します(丸数字は、後述する作成上のポイントです)。

【作成上のポイント】

① 200円の収入印紙を貼付します。

② 第1条の記載によって、民法549条に書かれた贈与契約の成立要件を充足します。

③ 不動産の価格を記載する必要はありません(記載した場合、印紙税の金額が200円ではなくなるので、記載しないのが一般的です)。

④ 土地の「地番」と建物の「家屋番号」は、過去にその土地に生じた分筆などが原因で、住所(住居表示)と異なる可能性があります。

地番と家屋番号は、次のいずれかの方法で確認することができます。

  • 登記済証を見る
  • 固定資産税納付通知書・課税明細書を見る
  • 法務局に電話をする

また、土地の「地目」(「宅地」、「畑」、「田」など)と「地積」(土地の面積)や、建物の「種類」(「居宅」、「店舗」、「共同住宅」など)と「構造」(「木造かわらぶき平屋建」、「鉄筋コンクリート造2階建」など)、及び「床面積」も、登記済証に記載があります。

⑤ 対象物件をいつまでに引き渡すかを記載します。

⑥ 贈与契約書への押印の日を記載します。

現金を贈与する場合のひな形

次に、現金を贈与する場合のひな形を紹介します(丸数字は、後述する作成上のポイントです)。

 

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【作成上のポイント】

① 収入印紙を貼付する必要はありません。

② 第1条の記載によって、民法549条に書かれた贈与契約の成立要件を充足します。

③ 贈与する金額をいつまでに振り込むかを記載します。

④ 贈与契約書への押印の日を記載します。

現金を贈与する場合のひな形(受贈者が意思表示のできない未成年者の場合)

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人(親権者)の同意を得る必要がありますが(民法5条1項)、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではありません(同項但し書き)。

したがって、贈与者が未成年者の場合は贈与契約書に親権者の氏名及び住所を記載することが必要ですが、受贈者が未成年者の場合であっても民法549条にいう「受諾」の意思表示をすることができれば、贈与契約書に親権者の氏名及び住所を記載する必要はありません(もっとも、「記載してはならない」ということではありませんから、実務上は記載することもあります)。

一方で、受贈者が意思表示のできない者(たとえば0歳児)であれば、贈与契約書に親権者の情報を記載する必要があります。

なお、親権は父母が共同して行うため(民法808条3項)、贈与契約書には父母両名の氏名を記載します(父母が婚姻中でない場合は除きます)。

たとえば、〇〇二郎の父が〇〇幸一で母が〇〇花子だった場合の贈与契約書の氏名欄は、次のとおりとなります。

贈与者(甲)住所

氏名 〇〇 太郎 【印】

受贈者(乙)住所

氏名 〇〇 二郎 【印】

乙の親権者  住所

氏名 〇〇 幸一 【印】

乙の親権者  住所

氏名 〇〇 花子 【印】

まとめ

以上、生前贈与契約書について、作成するメリットと作成方法を簡単に解説しました。

生前贈与契約書の作成には少し手間が必要ですが、この手間によって将来生じるかも知れないリスク(相続税の税務調査や遺産分割協議での揉め事)を減らすことが可能ですので、生前贈与を行う際はぜひ作成を検討してください。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。