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相続税の課税対象となる電話加入権とは?

少し前まで、固定電話回線を確立するには電話加入料を購入する権利が必要であり、加入料も高額でした。そのため、相続税の申告については、電話加入権を個別に評価・計上する必要がありました。

しかし、光ファイバーなどの電話回線を経由しない固定電話サービスの普及により、その必要性が減り、相続税の申告でも個別評価は記載する必要がなくなり、一括計上できるようになりました。

この記事では、電話加入権の相続税評価額の計算方法・相続税の申告方法・相続による名義変更の方法について説明します。

電話加入権とは?

電話加入権とは、NTT東日本およびNTT西日本の電話回線への加入権のことです。「施設設置負担金」ともいいます。負担金ではありますが、個人間で売買できることから、この権利を「電話加入権」という名称で呼んでいます。電話事業が始まった当初、電話は無料で利用できました。

しかし戦後、NTTグループの前身である日本電信電話公社が電柱や電話回線を敷設する電線を敷設するための負担金を徴収するようになって以降、有料となっています。

電話加入権の保有の有無を確認

相続が発生したら、まず被相続人(故人)の財産の中に電話加入権があるかどうかを確認してください。昨今、光ファイバーなどの登場により、あえて負担金を払ってまですぐに電話加入権を購入しようとする人はほとんどいません。

しかし、多くの高齢者は依然として電話加入権を持っています。相続が発生した場合は電話加入権の相続手続きが必要であり、相続税の申告が必要な場合は相続税の計算方法を知っておく必要があります。

まず、NTT東日本またはNTT西日本に電話をして、請求書等などでプラン内容を確認し、故人が電話加入権を保有しているかどうかを確認します。

電話加入権を相続するメリットは?利用状況や遭難時の連絡手段となるかどうかにより判断

電話加入権を相続するメリットは「ずっと同じ電話番号が使える」「災害時の通信手段として使える」ことです。

現在、利用している電話番号を使い続けるか、災害時に使えるかなどを考慮して、電話加入権を相続するかなどを検討しましょう。

メリット1:ずっと同じ電話番号が使える

電話加入権を相続することの第一のメリットは、同じ電話番号を使い続けられることです。次のような場合は、電話番号をそのまま利用できるため、電話加入権の相続をご検討ください。

  • 実家の店を継ぐ場合
  • 職場や病院などの緊急連絡先として指定している場合

これに加えて、固定回線を持っていると、ローン審査のための信用情報として役立つというメリットもあります。

メリット2:災害時の連絡手段として使える

電話加入権を相続する第二のメリットは、災害時の通信手段として使えることです。

自然災害による停電時には、光回線の固定電話はご利用いただけませんが、アナログ回線やISDN回線は状況によりご利用いただけます。電話加入権を相続すべきかどうかわからない場合は、緊急連絡についても検討する必要があります。

電話回線があっても、光回線を利用したIP電話や停電に対応できない電話を利用している場合は、事故の際に使えなくなる可能性がありますので、十分に注意してください。

電話加入権は相続財産か?

電話加入権は相続財産となります。

電話加入権の相続税評価額の計算方法

電話加入権の評価額は、相続税法財産評価基本通達に基づき、次のように決定されます。

  • 市場価格のある電話加入権:課税期間中の通常の取引価格
  • 取引相場のない電話加入権:売買実例価額等を元に、電話取扱局ごとに国税局長が定める標準価格
  • 特殊番号の電話加入権:上記のいずれかに基づいて見積もった金額をもとに、実際の売買実例価額や精通者意見価格に応じて評価

一般の電話加入権は、上記3つのうち2番目に該当します。2020年の標準価格は全国一律1,500円です。

特殊番号とは次のとおりです。

  • 「1~10」「100」など、ダイヤルしやすく覚えやすい数字を使った番号。
  • 「42」や「4989」など、嫌われやすい数字を使った番号。

特殊番号で標準価格とはみなされない番号については、売買実例価額や専門家の意見を参考にした上で、最終的な評価額を算出いたします。

金額は小さいが申告は必須

電話加入権は少額のため、相続税額への影響はほとんどありません。しかし、少額でも資産の一つです。

相続税の特徴は、すべての相続財産を申告することにあります。したがって、1,500円でも申告書への記載が必要です。

上記の評価は、2020年12月31日より前に発生した相続を参照しています。2021年1月1日以降の相続については、電話加入権を家庭用財産としてまとめて一括評価します。

必要な名義変更手続き

名義変更は次の流れで行います。

手順

  1. 名義変更の対象となる電話番号の種類を確認する
  2. 誰が相続を受けるかを決める(ただし、相続人が一人の場合は省略可)
  3. NTTから請求用紙を入手し、その他の必要書類を準備する
  4. 請求用紙に記入する
  5. お住まいの管轄のNTTセンターに郵送し、名義変更手続きを行う

必要書類

  1. NTT専用の名義変更の請求用紙・・・請求用紙をウェブサイトからダウンロードする。
  1. 死亡の事実及び相続関係を確認する書類

これらには以下が含まれます。ただし、有効期限のない公開証明書には期限が定められています。NTT東日本は発行後3ヶ月以内、NTT西日本は発行後6ヶ月以内。

  • 戸籍謄本・抄本
  • 検認済みの遺言書
  • 遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書を押印)
  • 法定相続情報一覧
  1.  新規加入者の氏名・住所・生年月日が確認できる書類
  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード等

相続の各種手続き

電話加入権の相続手続きを開始するには、まずNTT東日本またはNTT西日本に電話またはインターネットで連絡する必要があります。

固定電話からの場合は、市外局番なしの「116」で手続き完了です。NTT東日本は、オンラインでも申し込めます。

各種相続手続きに必要な書類

電話加入権の相続手続きは、手続きの内容によって手続きや必要書類が異なります。

承継の場合

電話加入権を相続される場合は、「電話加入権等承継・改称届出書」等が必要です。

譲渡の場合

電話加入権を譲渡する場合は、「承継のための必要書類(新規加入者と既存加入者の書類)」に加えて、遺言書を提出する必要があります。

検認手続済みでない遺言書は、家庭裁判所への検認申立が必要です。家庭裁判所において検認手続済みでない遺言書は、相続できませんのでご注意ください。

解約する場合

電話加入権を解約を解約する場合は、「死亡の事実が確認できる書類」と「解約手続きをする人の本人確認書類」を提供する必要があります。

なお、これらの必要書類は「承継の場合の必要書類(新契約者・既契約者の場合)」と同様のものです。

利用停止の場合

承継・譲渡(名義変更)の手続きが完了してから、利用停止の申請を行います。利用停止の申し込みは、電話またはインターネットから行うことができます。

一時中断の場合

まずは、承継手続きや譲渡手続き(名義変更)手続きが完了したら、一時中断の申請を行います。一時中断の申請は、電話またはインターネットから行うことができます。

電話加入権の相続手続での注意点

今後の利用状況に応じての対応の決定

今後の予定や見通しを検討し、承継・譲渡・解約・休止・一時休止の対応を決定しましょう。電話加入権の解約または利用停止の手続きを行うと、同じ電話番号をご利用いただけなくなります。

今後も同じ電話番号をご希望の場合は、承継・譲渡・一時休止を検討する必要がありますが、月々の回線使用料が発生しますのでご注意ください。一方無駄な出費を抑えたい場合は、電話番号の変更が必要ですが、利用休止にしましょう。

更新しない場合には電話加入権は失効

電話加入権の利用休止を選択した場合、毎月の回線使用料なしで、最大10年間の期間が与えられます。この期間は5年ごとに更新する必要がありますが、更新を忘れると電話加入権が消滅します。

電話加入権が消滅している場合、新たに電話加入権を購入する場合、施設設置負担金が必要となりますのでご注意ください。

解約しても返金されない

電話加入権を解約された場合でも、ご契約時にお支払いいただいた施設設置負担金は返金されません。売りたいのであれば、専門業者への売却を検討すべきです。

ただし、現在、電話加入権を買い取る会社は多くありません。電話加入権を売却することはあまり現実的ではありません。

名義変更以外の手続き

解約手続き

解約とは、電話番号の使用を完全に終了するプロセスです。復活できません。また、権利は返還されません。

オンラインでの解約手続きはできません。NTTへ連絡する必要があります。

停止手続き

休止とは、電話加入の権利をNTTが預かる手続きです。

原則5年、最長10年。

ただし、再度利用する場合は、新しい電話番号を利用し、名義変更が必要です。また、休止・再開ともに2,000円~10,000円の手数料が必要です。

この手続きもオンラインではできません。お住まいの管轄のNTTセンターにお問い合わせください。

まとめ

電話加入権を相続した場合は、承継・譲渡・解約・一時停止等の対応をご検討ください。その後、NTT東日本またはNTT西日本に連絡し、適切な相続手続きを行ってください。

また、電話加入権も相続財産に含まれますので、相続税の申告が必要な場合は、家庭用財産を計上しましょう。

電話加入権を含む家計財産を申告していない場合、税務署から加算税または延滞税がペナルティとして課されることに注意してください。電話加入権を相続する場合は、相続税手続きや相続税申告を忘れないよう、事前に確認が必要です。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。