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「更正の請求」のメリット・デメリットを解説

「相続税を多く払いすぎてしまった!」
「相続税の更正の請求ってどんな制度?」

相続税では、財産の評価ミスや納税後に相続人に変更があった場合などにより、すでに納めた相続税と納めるべき相続税に差異が生じることがあります。

納めるべき相続税が納付した相続税よりも少ない場合には、税務署から「お尋ね」が届く可能性がありますが、多い場合の通知はありません。相続人自身が払いすぎに気づかないと、過剰な相続税を納めることになってしまうため注意が必要です。

相続人が相続税の払いすぎを回避する制度として「更正の請求」があります。

相続税における更正の請求があること、またその内容について事前に知っておくと、相続税の払い過ぎが懸念されるときでもスムーズに正しい納税ができるでしょう。また、更正の請求をおこなう前に、実務上のデメリットを知っておくことでより相続税を取り戻す可能性を高められます。

この記事では、相続税の更正の請求の制度やメリット・デメリットについて解説します。更正の請求について詳しく知りたい、したいけどデメリットが不安という方は、ぜひ参考にしてください。

更正の請求とは?

更正の請求とは本来納めるべき額よりも多く相続税を払っていた場合に、払いすぎた分を取り戻すための手続きをいいます。相続税は正しい内容で申告しなければなりませんが、以下のような場合には誤った額で申告してしまうこともあるでしょう。

  • 特例などを適用せず財産を評価し、過剰に納税してしまった
  • 申告までに遺産分割協議が間に合わず、仮の相続税で払った
  • 遺産分割協議後に遺言が発見された
相続財産のなかでも、特に土地は特例や評価方法により、大幅に評価額が変わります。納付後改めて算出してみたら高く評価しすぎていたという場合には、相続税の更正の請求を検討してみましょう。

相続税を納めた後の注意点として、納税額が少ないときは税務署から連絡が来る可能性がありますが、払いすぎた場合は税務署からの連絡や通達がないことが挙げられます。自分自身で気づき、動かなければそのまま泣き寝入りになってしまうため、積極的に動いてくださいね。

一方で、本来払うべき相続税よりも少ない額しか払っていなかった場合には修正申告を行い、追加の納税が必要になります。税務署が納めた相続税に疑問を抱いた場合には、税務署から税務調査の連絡が来ることがあるでしょう。相続税の税務調査が入った場合には、9割近い可能性で申告漏れなどを指摘されます。

税務署の指摘後に申告する「修正申告」では、延滞税や過少申告加算税が上乗せされ、より重い税負担が課せられることに。ただし、税務調査の連絡を受ける前に自主的に修正申告すれば、上乗せされるペナルティが減り、重い税負担を回避できます。

相続税の税務調査は、自分で申告をした人や相続財産が多い人が対象になりやすいです。「もしかして少なかった?」と不安に思うことがあれば、早めに税理士などに相談しましょう。

更正の請求のメリット

更正の請求を行うメリットには、以下が挙げられます。

  • 払いすぎた税金を取り戻せる
  • 正確な申告ができる
  • 相続人の変更があった場合などに、相続税の修正ができる

更正の請求を行うことは相続人へのメリットだけでなく、正しい納税が可能になるという社会全体へのメリットもあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

払いすぎた税金を取り戻せる

更正の請求におけるメリットのひとつに、払いすぎた税金を取り戻せることが挙げられます。相続税の過度な支払いを避けられるため、納税者にとってのメリットといえるでしょう。本来、納税は誤りなく正しく行われるべきです。

しかし、相続税の仕組みは複雑で納税する回数が少ない人も多く、正確な納税額を算出するのは難しいこともまた事実といえます。財産評価のミスや受けられる特例を見逃すことで、相続税を払いすぎてしまうのは決して珍しいことではありません。

上記のような誤りがあったときに更正の請求により、払いすぎてしまった相続税の過払い分を取り戻せます。正しく相続税を納税できなかった相続人にとって、更正の請求の存在は大きなメリットです。

正確な申告ができる

相続税の正確な申告ができることは相続人、社会全体両方へのメリットのひとつです。

相続税の申告後に評価間違いや遺産分割協議の割合が決定した場合には、当初の申告から正しい申告に変更する必要があります。更正の請求という制度がなく「一度納めた税金は変更できない」とすると、正しい申告、納税ができなくなってしまいます。

更正の請求の制度を設けていることで、すでに申告してしまった相続税を正しく申告し直すチャンスが生まれます。正しい内容で申告する機会が与えられる更正の請求は、納税者・社会全体の両方にメリットがあるといえるでしょう。

相続人の変更があった場合などに、相続税の修正ができる

相続人の変更があった場合や未分割の財産を分割があった場合に、相続税の修正ができることも、更正の請求のメリットです。以下のようなことが生じた場合には、本来払うべき相続税と納めた相続税額に差異が発生します。

  • 未分割の財産が分割された
  • 相続人の移動があった場合
  • 遺留分侵害請求権による返還があった
  • 軽減措置や特例が適用できる
  • 遺言書が見つかった
  • 遺贈が放棄された

相続財産の変更や相続人の移動が起こると財産評価額や相続人数が変わり、払うべき相続税額も変わります。払うべき相続税が変わるため、すでに納税した相続税と差異が生じることも当然あるでしょう。

改めて払うべき相続税が確定したとき、すでに払っている相続税よりも少なかったときには、更正の請求により還付金が受け取れます。更正の請求の制度により納税後であっても払い戻しを受け取れるため、納税者や社会の公平性という観点でもメリットになるといえます。

更正の請求のデメリット

相続税の更正の請求には、以下のようなデメリットが挙げられます。

  • 手続きの複雑さ
  • 請求には5年以内のリミットあり
  • 迅速な対応が不可欠

更正の請求は、手続きが難しい事と請求には期限があることに留意しておきましょう。

手続きの複雑さ

手続きの煩雑さは、相続税更正の請求のデメリットのひとつに挙げられます。相続税で更正の請求をおこなうには、相続税についての専門的な知識が必要不可欠です。そもそも相続税における財産評価は独自性が高く、適正な価格は相続税の専門知識無くして評価するのは難しくなります。

また更正の請求の手続きには、納税額に誤りがあったことを示す書類の作成や入念な準備が求められます。納税者本人はもちろん、税理士であっても相続税に明るい人でないと手続きを行うのは難しいのが実情でしょう。

相続税を払いすぎた可能性がある、土地の減額をまったく考えず財産評価を行ったなど、更正の請求を利用できる可能性が高いのであれば、相続税に精通している税理士への相談をおすすめします。

請求には5年以内のリミットあり

更正の請求には、相続税の申告期限から5年以内というタイムリミットがあることもデメリットです。支払った相続税に対して支払うべき相続税が大きく減る場合であっても、期限以内に手続きを行わなくては請求は認められません。

ただし、相続税には更正の請求の特則があることも覚えておきましょう。更正の請求の特則では特殊な事由があった場合には期限を過ぎていても、事由が発生した翌日から4カ月以内の請求が認められます。特殊な事由には、以下のようなものが挙げられます。

特殊な事由
  • 未分割の財産が分割された場合
  • 未分割の財産が分割されたことにより軽減措置や特例が適用できる場合
  • 認知、廃除などによる相続人の異動があった場合
  • 遺留分侵害額請求権による返還があった場合
  • 遺贈にかかる遺言書が発見された・遺贈が放棄された

単なる算出ミスではなく上記のような事由がある場合には、相続税の申告期限から5年を過ぎても更正の請求が認められます。

上記に該当する事由があり相続税額が変動する場合には、5年を過ぎているからと諦めずに税理士に相談してみてください。いずれの場合であってもリミットはあるため、気になった場合には早めに動くことを強くおすすめします。

迅速な対応が不可欠

相続税の更正の請求には迅速な対応が不可欠なことも注意しましょう。

前述の通り、更正の請求には相続税の申告期限から5年以内、特殊な事由がある場合にも4カ月以内の期限があります。必要な書類をまとめて正確な相続税を算出し、税務署に提出するには時間を要するため、迅速な対応が必要です。期限を過ぎてしまうと更正の請求は認められません。

税理士に依頼した場合、実働は税理士が動くことになるのでスピーディーに対応してくれるところを選ぶのがおすすめです。対応の早さを見極めるポイントとしては、以下が挙げられます。

ポイント
  • 問い合わせに対しての回答がスムーズか
  • 適宜、連絡や状況の報告が届くか
  • 相続人が準備するべき書類等の指示が的確か

相続税の算出ミスの判明や未分割の財産が分けられたなどが生じた場合には、できるだけ早く、迅速に対応できる相続税に相談してください。

まとめ

今回は相続税における更正の請求のメリットやデメリットについてお伝えしました。更正の請求は一度納付してしまった相続税を取り戻すことができる制度です。制度をきちんと理解して正しく申告し直せば、相続税の還付が受けられます。

ただし、更正の請求には期限があることや煩雑な手続きがある事には注意してください。更正の請求は複雑な手続きが必要になるため、相続税に詳しい税理士に相談することが重要です。「相続税の計算を間違ったかも?」「遺言書が出てきて財産の分け方が変わった」などがあったら、お気軽に税理士に相談してくださいね。

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ABOUT US
税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。