「相続税は自分で計算できるの?」
「相続税申告までに、一体何をするべきか知りたい」
「相続税計算はシミュレーションできる?」
亡くなられたご家族(被相続人)が所有していた財産の評価によっては、残されたご家族(相続人)は相続税計算を行った上で、正しく相続税申告を行う必要があります。相続税は自動的に税務署から支払通知書が届くのではなく、自ら申告して納付するものです。
しかし、相続税計算や申告はとても複雑です。では、ご自身で計算を行って申告することはできるのでしょうか。本記事では相続税の計算について、気軽に利用できるシミュレーションやアプリを紹介します。計算時の注意点にも触れますので、ぜひご一読ください。
目次
相続税の計算とは
相続税は亡くなったご家族が所有していた相続財産を、引き継ぐ方が支払う税金です。必ずしも発生するものではなく、基礎控除以下であれば原則として納付をする必要はありません。
相続税は支払う義務がある方が自ら計算をし、税務署へ納付する必要があります。そのため相続の開始後は相続財産をすぐに調査し、財産の種類や評価額を確定させた上で計算して納付の可否を調査する必要があります。
相続税申告の概要
この章では相続税の申告の概要を、簡潔に解説します。申告期限や遅れてしまった場合の注意点もあわせて解説します。まず、相続税申告の第一歩は以下です。
- 相続税の申告が必要であるかどうか
- 相続税を納める必要があるのかどうか
などを確認することが重要です。
相続税申告はいつまでに行う?
相続税の申告には「期限」が設けられています。
- ・被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内
期限が土・日・祝日に該当する場合はこれらの日の翌日が期限となります。相続税の申告は、相続だけではなく遺言書で遺贈を受けた方も対象です。なお、相続放棄をした場合は財産を取得していませんので、納税の義務もありません。
参考URL 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
相続税申告が遅れるとどうなる?
上記の相続税申告期限をもしも超えてしまったら、以下のペナルティが課せられます。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 悪質な場合は重加算税
税務調査の通知後、税務調査による指摘後の納付は税率も重くなります。まずは申告期限に間に合わせること、どうしても遅れてしまったら税務調査の通知や指摘の前に納付することが大切です。
相続税は自分で簡単に計算できる?
相続税は複雑ですが、ご自身で計算することも可能です。以下の3つのステップを順番に行うことで、算出できます。
①被相続人の相続財産の総額を特定する(債務、葬祭費用は控除できます)
②基礎控除を計算して、①から引く
③相続税の総額を計算する
相続税の総額が分かったら、相続人が相続する割合に合わせて1人あたりの納付額を計算します。また、基礎控除以外にも適用できる控除や特例があるため、漏れなく適用させます。
相続税の計算シミュレーションができるアプリ3選
相続税の計算は、シミュレーションができるアプリで概算を知ることが可能です。そこで、この章ではおすすめの相続税計算のシミュレーションアプリを3つご紹介します。
アプリ① かんたん相続診断
- 質問形式の項目に回答することで相続人を確定できる
- 項目ごとに財産の金額を入力できる
- 相続人ごとの納税負担額を計算できる
英和コンサルティングが提供している「かんたん相続診断」の特徴は上記のとおりです。
税理士が監修しており、相続税知識に不安がある方でもわかりやすくシミュレーションができます。気軽に計算してみたい方にもおすすめです。
アプリ② 相続アプリ
- 相続人の人数と財産の状況を入れると簡単に相続税の概算を算出
- 相続税全般の基礎知識がわかる
- 相続税・贈与税の対策方法もわかる
税理士法人小林会計事務所が提供している「相続アプリ」の特徴は以上です。
基礎知識に関するコンテンツも充実しており、相続以外にも関連する贈与や遺言に関する豆知識も得られます。
アプリ③ 税理士事務所がつくった相続税シミュレーション
- 家族構成と財産額を入力すると大まかなシミュレーションができる
- まずは概算が分かるように、シンプルなアプリ
・家族構成と財産額を入力すると大まかなシミュレーションができる
・まずは概算が分かるように、シンプルなアプリ
ひとまず相続税額を大まかに計算してみたいという方におすすめです。
相続税の計算は税理士に依頼するべき3つの理由
相続税は便利なアプリを通してご自身でシミュレーションできます。しかし、実際の計算・申告にあたっては税理士へご相談されることが大切です。
では、なぜ税理士への相談が必要なのでしょうか。以下3つで解説します。
控除・特例を正しく適用できる
相続税の計算は、控除や特例に関する高度な知識も必要とします。また、税制は時々改正されるため、最新の情報に基づいた正確な計算が求められます。
税理士はこれらの専門知識を持っているため、適切に相続税の計算や控除を行い、過不足なく申告することができます。
二次相続の相談もできる
今発生している相続にだけ対応するのではなく、現在の家族構成を踏まえると「二次相続」も見通した相続税計算・納付を行う必要があります。
ご自身で相続税計算をする場合、この二次相続対策が漏れてしまう可能性があります。税理士に相談すると二次相続も踏まえた相続税計算や納付が可能となります。
生前から相続税の相談もできる
税理士への相談は、相続税に関することだけではありません。生前から相続を見据えて行う贈与に関する相談もできます。現時点での相続税計算を行い、やっておくべき贈与等の対策も、税理士ならアドバイスが可能です。たとえば、贈与には以下の代表的な2つの方法があります。
・暦年贈与
暦年贈与とは、1月1日〜12月31日の1年ごと(暦年)において贈与額が110万円以下なら贈与税がかからないしくみを指します。
贈与を受け取った受贈者が贈与税を支払います。暦年贈与は現金だけではなく、不動産や株式などを用いることも可能です。
2024年以降は法改正により生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年へ延長され実質増税となりました。暦年贈与はなるべく早く開始されることがおすすめです。
・相続時精算課税制度
暦年贈与とは併用できませんが、60歳以上の父母・祖父母が18台以上の子や孫に最大2,500万円まで非課税で贈与できる相続時精算課税制度もあります。
相続時には相続財産と合計して、相続税を納付する必要があります。
2024年以降は法改正で、110万円までの基礎控除額が利用できるようになりました。以前より少しお得な制度となりました。
この他にも、贈与には教育資金に関するものなども用意されています。相続時に重い課税が予想されている場合、生前から贈与を用いた対策を進めていくことがおすすめです。税理士へお気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では相続税の計算について、ご自身で計算できる便利なシミュレーションアプリについて解説しました。シミュレーションアプリは誰でも気軽に、相続税の概算ができるため大変便利です。ぜひご活用ください。
ただし、実際の計算や申告については、控除や特例の漏れを防ぐためにも税理士へご相談されることがおすすめです。また、生前から贈与などを用いた相続税対策を税理士と一緒に進めることで、家族の大切な財産を守る効果も高まります。
まずはお気軽に響き税理士法人へご相談ください。
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。
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