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相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点

税理士友野
税理士友野

都道府県・市区町村の内、自分で選んだ自治体に寄付をすることで、寄付した金額から2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されるふるさと納税。魅力的な返礼品がたくさんあることが、ふるさと納税が人気である最大の理由だと言えるでしょう。このふるさと納税の額は、年々増えていると言われています。

近年、総務省は返礼品の金額を寄付金額の3割程度までに収めるように、通達を出しています。しかしまだ、ふるさと納税が人気の制度なのは変わりません。実際、これからふるさと納税をやってみようという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。このふるさと納税は、所得税と住民税の控除が一般的です。しかし実は、相続税もふるさと納税で節税することが可能です。

本章では相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点について解説します。

ふるさと納税の一般的な注意点

まずは相続税の節税に限定せず、ふるさと納税の一般的な注意点から説明していきます。

控除額

ふるさと納税した金額の内、所得税と住民税から控除できる金額は、ふるさと納税者の収入や家族構成によって決まります。

決められた金額を超えてふるさと納税を行なっても、決められた金額分しか所得税と住民税から控除されないことに注意が必要です。

手続き

ふるさと納税で控除を受けるには、確定申告をするか、ふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を受ける必要があります。

ポイント!
ワンストップ特例制度は、確定申告を行わなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受けられる仕組みのことです。

ふるさと納税先の自治体が、1年間で5自治体までであれば、この制度を活用できます。回数として6回以上のふるさと納税を行なっても、5自治体以内であれば、このワンストップ特例制度を活用できます。どちらかの手続きをしなければ、税金は控除されませんので、手続きを忘れないように注意しましょう。

相続税をふるさと納税を使って節税できる

ふるさと納税は、所得税と住民税の控除が一般的ですが、実は、相続税も節税することが可能です。もちろん、返礼品ももらえます。相続税は、亡くなった方から遺産を相続した方(相続人)に課される税金のことです。

ただし、遺産を相続したらすべての場合に、相続税がかかるわけではありません。一定の金額の相続までは、相続税がかからないようになっています。相続税の申告も不要です。この金額のことを相続税の基礎控除と言います。

相続税の基礎控除額は、下記の式で求められます。

相続税は、相続した財産の評価額が基礎控除額を超えた場合に、基礎控除額を超えた部分についてのみ課税されます。法定相続人とは、民法に定められた相続人のことです。

ポイント!
この相続した財産を、ふるさと納税で特定の法人に寄付すると、寄付した財産に相当する金額については相続税が非課税になります。これがふるさと納税を使った相続税の節税です。

相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点

ここでは、相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点について、説明します。

相続税をふるさと納税を使って節税する場合には複数の要件があり、それらを満たさないと相続税の控除を受けられません。要件としては、申告期限内に相続税の申告を行なうこと、遺産を現金化しないこと、寄付先として定められている組織に寄付を行なうことなどです。

相続税の申告

相続税をふるさと納税を使って節税するためには、相続税の申告をすることが前提となります。ふるさと納税を使った節税は、相続税の申告をしないと受けることはできません。

相続税の申告期限は、財産を持った方が亡くなってから10ヶ月以内です。ふるさと納税を利用すると、相続税の控除だけでなく、ふるさと納税の特典の返礼品をもらうこともできます。

遺産を現金化しない

相続財産を寄付するときは、遺産を現金化せず、現物をそのまま寄付しなければなりません。

たとえば
土地や建物などの不動産を売却し、現金に変えた後に寄付しても、相続税をふるさと納税を使って相続税を節税することはできません。

寄付先として定められている組織

相続税をふるさと納税を使って節税するためには、相続した財産を、国や都道府県・市区町村などの地方公共団体、または、特定の公益法人や認定特定非営利活動法人に寄付する必要があります。

特定の公益法人とは、教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる公益を目的とする事業を行う特定の法人のことです。具体的には、以下の法人などです。

特定の公益法人
  • 国公立大学法人
  • 日本私立学校振興・共済事業団
  • 日本赤十字社
  • 公益社団法人、公益財団法人
  • 社会福祉法人

寄付が遺言によるものではない

寄付が遺言によるものであっても、相続税のふるさと納税を使った節税は受けられます。ただし、所得税や住民税の控除は受けられません。寄付は、亡くなった方が寄付する財産や寄付先を遺言書で指定する遺贈によってもすることができます。

しかし、この方法では相続人の所得税や住民税の控除は受けることができません。 相続人の所得税・住民税を控除するためには、相続人自らの寄付が必要です。

遺産分割協議を終わらせ、預金の名義変更などを終える

ふるさと納税は相続が発生してからでも使える節税対策という点では非常に利用しやすいと言えます。

しかし、遺産分割で相続人同士が揉めていて、相続税の申告期限である10ヶ月に間に合わなくなると控除が受けられません。そのため、ふるさと納税を利用して相続税を節税したい場合については、相続税の申告期限に余裕をもって遺産分割協議を終わらせる必要があります。

まとめ

ここまで、相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点などについて、説明してきました。まずふるさと納税の一般的な注意点として、所得税と住民税から控除される金額は、その方の収入や家族構成によって決められていることや、節税を受けるには、確定申告をするか、ふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を受ける必要があることを説明しました。

次に、ふるさと納税は、所得税と住民税の控除が一般的ですが、実は、相続税も節税することが可能であることを説明しました。さらに、相続税をふるさと納税を使って節税する場合、申告期限内に相続税の申告を行なうこと、遺産を現金化しないこと、寄付先として定められている組織に寄付を行なうことなどが、注意点であることを説明しました。

相続税をふるさと納税を使って節税する場合の注意点についてご不明点がありましたら、是非、専門家にお問い合わせください。今回の記事が皆様の相続に関する理解を深める一助となれば幸いです。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。