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未支給年金は相続財産に含まれる?種類ごとの取り扱いについて徹底解説

厚生年金や国民年金などの未支給年金は相続税の課税対象となりません。ただし、年金の種類によっては相続税の課税対象となるため注意が必要です。

生前に被相続人が年金を受給していた場合、亡くなったあとの年金がどうなるかはご存知でしょうか。この場合、まだ受け取っていない年金については被相続人に代わって相続人が受け取ることになります。

「受け取ることになった年金は相続財産になるの?」などの疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は未支給年金のケース別の取り扱いについて解説していきます。年金にはさまざまな種類があるため、正しく違いを理解し適切な手続きをおこなえるようにしましょう。

未支給年金とは

未支給年金とは本来被相続人が受け取る予定であった年金のことをいいます。国民年金や厚生年金などの年金は被相続人の死亡月まで受け取ることができるため、死亡した時点では必ず未支給年金が発生することになります。

たとえば
被相続人の死亡月が8月であった場合、8月分の年金については10月に支給されることになるため、8月分の未支給年金が発生するということになります。

ただし、年金についてはいくつかの種類に区分され、区分ごとに取り扱いが異なるため注意が必要です。

未支給年金は大きく3つの種類に区分される

未支給年金は次の3つの種類に区分されます。

未支給年金の種類
  1. 公的年金
  2. 企業年金
  3. 個人年金
上記の年金ごとに課税関係の取り扱いが異なるため注意が必要です。まずは、それぞれの違いについて確認していきましょう。

①公的年金

公的年金の未支給年金については相続税の課税対象にはなりません。公的年金とは国が運営する年金のことをいい、具体的には国民年金と厚生年金の2種類で構成されています。

公的年金は2ヶ月に1度、2ヶ月分の年金が後払いとして支給される仕組みとなっています。そのため、死亡月の年金部分が未支給年金として発生することになりますが、相続税の課税対象とならないとされています。

②企業年金

企業年金の未支給年金については相続税の課税対象となります。企業年金とは企業が支払う退職金を年金形式で支払う制度のことをいい、企業ごとに支給期間などが定められます。

たとえば
退職金を支給期間20年の年金形式で受給することとし、10年目で亡くなってしまった場合は残存期間である10年分の企業年金が未支給年金となります。

この場合の未支給年金は相続税の課税対象となります。

③個人年金

個人年金の未支給年金については相続税の課税対象となります。個人年金とは金融機関や保険会社などが取り扱う年金保険のことをいい、契約ごとに内容が異なります。

契約内容によっては被保険者が死亡した場合に相続人へ年金が支給される契約の商品もあり、このような場合に未支給年金が発生することになります。そのため、個人年金については契約証書などを細かく確認し、未支給年金が発生するかどうかを確認しておくことが重要です。

公的年金の具体的な取り扱い

相続人が被相続人の公的年金における未支給年金を受給した場合、相続税の課税対象とはなりません。

「被相続人が本来受給すべきものだったのにどうして課税対象にならないの?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

これは、公的年金における未支給年金については、相続人が「自身の固有財産として請求をおこなっている」といった認識がされているためです。そのため、未支給年金は相続税の課税対象とはなりませんが、受け取った相続人の一時所得として所得税が課税されることになります。

企業年金の具体的な取り扱い

企業年金の未支給年金については相続税の課税対象となりますが、在職中または年金受給中であるかによって取り扱いが異なるため注意が必要です。

具体的には次のような取り扱いになります。

在職中に死亡した場合

在職中に死亡した場合は「死亡退職金」として相続税の課税対象となります。死亡退職金は在職中に死亡した社員の遺族に支払われる退職金のことをいい、退職手当金は被相続人の相続財産とされるため、相続税の課税対象となります。

ただし、死亡退職金については一定額の非課税枠が設けられており、次の算式で非課税枠の計算をおこないます。

たとえば
死亡退職金が5,000万円、法定相続人が3人であった場合は死亡退職金の金額から非課税枠の金額を差し引いた3,500万円が相続税の課税対象となります。こ

受給中に死亡した場合

企業年金を受給している場合に受給者が死亡した場合は「契約に基づかない定期金に関する権利」として相続税の課税対象となります。定期金に関する権利とは、被相続人と企業などが定期金給付契約により一定期間にわたって、金銭等の給付を受ける権利のことをいいます。

しかし、今回のようなケースでは未支給年金を受給する相続人は、支払い元となる企業と契約を結んでいるわけではありません。そのため、契約に基づかない定期金に関する権利となり、相続税の課税対象となります。

また、企業年金の未支給年金については上記の死亡退職金のような非課税枠が設けられていないため注意が必要です。

相続放棄をおこなっても遺族年金はもらえる?

相続放棄をおこなった場合でも遺族年金は受け取ることができます。遺族年金については遺族固有の権利となっているため、相続財産に含まれないことになっているためです。

また、遺族年金は相続財産とみなさないため、遺族年金を受け取った場合でも相続放棄は可能となり、公的年金の未支給分についても同様の取り扱いとなります。

未支給年金を受け取った遺族は確定申告の必要がある?

未支給年金を受け取った遺族は所得が増えることになるため、場合によっては確定申告をおこなう必要があります。未支給年金は「一時所得」に該当しますが、受け取った金額のすべてが所得になるわけではありません。

具体的には次の算式で未支給年金にかかる所得金額を計算します。

未支給年金の所得計算では上記のとおり、特別控除額が50万円設けられています。そのため、未支給年金の金額が特別控除額の50万円を上回らなければ確定申告が不要です。

ただし、未支給年金以外にも一時所得がある場合は、その他の一時所得と合算した金額が50万円を超える場合、確定申告が必要となります。

まとめ

未支給年金については相続税だけでなく所得税にも影響を与える場合もあるため、相続税や所得税の申告漏れにつながる可能性があります。被相続人が年金受給者である場合は未支給年金が発生するため必ず年金の種類などを確認し、相続財産に該当するのかどうかを確認するようにしましょう。

また、相続税については未支給年金以外にもさまざまな相続財産が課税対象となることや税額控除、特例といった特殊な考え方が存在するため、相続について少しでも不安やお悩みがある場合や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。