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相続税の追徴課税はいくらくらいになる?

相続税は申告制なので、基本的には相続した財産を自分で調べて、評価額や税額を自分で計算する必要があります。しかし、通常人生で何度も申告・納税する税金ではないため、財産の調査漏れや計算ミスが起こりやすいです。

相続税の申告をした人の5人に1人が税務調査を受けているとされており、申告漏れなどの割合は、税務調査を受けた人の9割となっています。申告漏れや過少申告をした場合、未納分や過少申告分を支払う必要がありますが、追加で支払う税金も発生するため、かなり高い金額を支払わなければならなくなるケースが少なくありません。

そこで今回は、相続税の追徴課税の種類と追徴課税が発生するケースをわかりやすく解説していきます。相続税の申告を済ませたい方・税務調査の通知を受けた方は、ぜひ参考にしてください。

追徴課税の種類

相続税の追徴課税は全部で4つあります。

それぞれの税金は、内容を正しく理解すれば、リスクや金額を軽減することができます。知らないうちに思わぬ課税をされていたということがないように、それぞれの税金について、どのような時に発生するのか解説したいと思います。

無申告加算税

納税者が期限内に申告をしなかった場合、課税額に無申告加算税を上乗せして納付しなければいけません。

納税者が知識不足により相続税の発生を認識していなかった場合でも、無申告加算税が課されます。申告期限を過ぎてから自分で申告をした場合でも、無申告加算税が課されます。なお、無申告加算税は申告した時期によって税率が異なります。

税務署からの税務調査の通知を受ける前に自分から申告した場合は、税率が低くなります。税務署が調査を行った後に申告書を提出した場合は税率が高くなります。過去5年以内に重加算税や無申告加算税を受けている場合は、さらに税率が高くなりますので注意が必要です。

なお税務署から指摘される前に自分で納税すれば、税率は5%に下がります。そして期限を守れなかった具体的な理由があり、それが正当なものであれば、無申告加算税は0%にすることができます。正当な理由としては例えば火災などに見舞われた場合です。

また過去5年間、無申告加算税と重加算税を受けたことがなく、申告日から1ヶ月以内に納付すべき税金を納め、期限内に申告する意思があった場合も無申告加算税は免除となります。

重加算税

無申告加算税追徴課税の中で最も重い罰則が重加算税です。

これは、納付すべき相続税の額を意図的に減らそうとした場合に課される加算税です。納税額を減らすために、所得を隠したり、経費を水増ししたりしたケースなどがあてはまります。

悪質な行為の場合、納税者は本来納めるべき税額よりも高い税額を納めなければなりません。特に、以下のようなケースは追徴課税の対象となります。

追徴課税の対象となるケース
  • 財産に関わる書類の改ざんや偽造の場合
  • 相続財産のを隠ぺいした場合
  • 取引先に会計書類の改ざん・偽造を強要した場合
  • 相続人が嘘をついて取引先などに真実とは違うことを行わせている場合
  • 隠し財産・架空責務であることを知りながら、確定申告をする場合
これらの行為は悪質とみなされ、35%または40%の重加算税が課されます。

延滞税

延滞税は期限までに税金を納めなかった場合に発生します。

また、支払期日を過ぎても納税額が足りない場合にも発生します。延滞税は納期限の翌日から日割りで計算されるため、計算が複雑です。

納税が遅れれば遅れるほど延滞税が増えるので、納税が必要だとわかったら、できるだけ早く税理士などに相談して納税することをおすすめします。なお計算された結果、金額が1万円未満の場合は、延滞税はかかりません。

過少申告加算税

相続税を一旦納めたものの、申告額が正しい課税額より少なかったことが判明した場合、正しい納付額に過少申告加算税が上乗せされます。

過少申告加算税が課されるケースは、2種類あります。

過少申告加算税になるケース
  • 過少申告が単純な計算ミスや勘違いによるものであった場合
  • 課税価格を意図的に過少に申告した場合や、控除額を過大に申告した場合
いずれの場合も、納税者は追加で税金を納めなければなりません。前者のケースでは、過少申告加算税がかかります。後者のケースでは、重加算税も追加されます。

いつ・いくら支払ったかによって税率が変わるので、最終的にいくら納税すべきか税理士に計算してもらうのが無難です。

相続税の税務調査で追徴課税が課されるケース

相続税の追徴課税は、悪意のある財産隠しなどの場合に発生すると思われがちですが、納税者に悪意がない場合にも発生することがあります。

特に、以下のような場合にも追徴課税が課税されますので、申告漏れなどがある場合には、早めに修正申告を行うことをお勧めします。

家族が知らない財産がある場合

家族でも知らない相続財産は意外と多く、以下のような財産は確定申告で申告されないことが少なくありません。

財産の種類
  • 遠隔地(海外を含む)で取得した不動産
  • ネットバンクやネット証券の口座
  • 生命保険
  • 外国金融資産
  • 暗号資産
これらはいずれも見つけにくい資産であるため、意図せず起こってしまったことであっても、申告漏れが発生する可能性が高くなります。

財産の評価が誤っている場合

不動産や非上場株式の相続税評価額の算出は難しく、本来の評価額より低くなってしまうケースもあります。

自分で計算した評価額に不安がある場合は、税理士に相談して評価し直してもらうとよいでしょう。

生前贈与がある場合

生前贈与も加算税の対象になりやすく、贈与が成立していなかったり、相続財産に加算されていなかったりするケースもありえます。

どちらも延滞税や無申告加算税がかかるので、以下の点に注意しましょう。

生前贈与の対象
  • 贈与契約書の存否
  • 相続前3年以内に行われた贈与(相続財産に加算する必要があります。)
  • 名義預金
贈与と判定されていない財産は相続財産であり、被相続人の財産として申告する必要があります。

たとえば
親や祖父母が子や孫の口座に預金をするケースがあります。

口座名義人と実際の預金者が異なる預金は、「名義預金」と呼ばれます。子・孫・配偶者名義の預金口座は、実際の預金者が被相続人である場合、相続財産に含める必要があります。

特に名義預金は指摘されやすいので、名義人に財産が渡ることが予想される場合は、贈与契約書を作成する必要があります。

追徴課税の計算方法

追徴課税がかかると言われても、実際にいくら払わなければならないのか見当がつかない方も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれのケースでどのように計算されるのか、実例を交えて解説します。

実際に課税される場合の違いを理解し、解決に向けて行動できるよう、実例を参考にしてください。

過少申告加算税の計算方法

過少申告加算税は「追加で納めるべき額×税率」で計算できます。

税率は相続税の修正申告時期で変わります。正しい納付税額が判明した時点で速やかに納付することが望ましいです。

申告時期 税率
税務調査通知前 0%(正しい申告をした時点での課税額のみ納付する必要があります。)
税務調査の通知後から更正の予知を知る前 期限内に申告した税額の5%
更正の予知以降 期限内申告税額×10%

調整すべき金額が50万円を超える場合、超過部分に対して+5%の税率で課税されます。ただし、期限内に50万円以上の申告があれば、税率上乗せの対象は申告額との差額で済みます。

たとえば
納税者が期限内に70万円の申告をしたが、税務調査の結果、160万円であることが判明した場合を説明します。

課税対象額と期限内申告額との差額=90万円

加算税率がかかる部分=90万円-70万円=20万円(※70万円>50万円)

過少申告加算税=70万円×10%+20万円×15%=10万円

無申告加算税の計算について

無申告加算税は「課税額×税率」で計算することができます。税率については、確定申告をする時期によって異なります。

申告時期 税率
税務調査通知前 5%
税務調査通知後から更正の予知まで 10%
更正の予知後 15%

税務調査通知後は課税額が50万円を超える部分に対して+5%の追徴課税が行われます。

たとえば
課税対象額をゼロと想定していたが、税務調査時に200万円の課税対象額を記載した場合。

加算税が発生する部分=200万円-50万円=150万円

無申告加算税=50万円×15%+150万円×20%=37万5千円

無申告加算税は、納税者が自主的に申告書を提出した場合と、税務調査で発覚した場合で金額が大きく異なります。本当に申告する必要がなかったのかどうかがわからない場合は、税理士などの専門家に依頼して確認してもらうのがよいでしょう。

延滞税の計算方法

延滞税の計算方法は複雑です。まず、基本的な計算方法は、「期限を超えて納める税金×延滞税率×日数÷365」です。

延滞税率は、相続税が延滞している期間によって異なります。

期間 税率
支払期日から2ヶ月以内 「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い方とする。
期限後2ヶ月超 「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い方。
(延滞税特例基準割合は、いつでも改定することができます。2021年1月1日以降は年率8.8%、2022年1月1日から12月31日までは年率8.7%となります。)
たとえば
200日分の税金を200万円滞納しているケース、延滞税特例基準割合:2.5%と仮定しての計算です。

期間 税率
2ヶ月まで 200万円×7.3%×61日÷365=24,400円
2ヶ月後以降 200万円×9.8%×139日÷365≒74,641円
合計(24,400円+74,641円=99,041円)【延滞税=99,000円(100円未満切り捨て)】

重加算税の計算

重加算税は期限内に申告した税額と本来の課税対象額×税率で計算できます。

税率は過少申告なら35%・無申告なら40%に達します。

たとえば
本来900万円のはずの税額を500万円として申告・納付した場合を計算してみましょう。この場合、まず400万円を追加で納付する必要があります。

申告の種類 支払額
過少申告の場合 重加算税の課税額=140万円

支払額=400万円+140万円=540万円

無申告の場合 追加納税額=160万円

支払税額=400万円+160万円=560万円

追徴課税の注意点

この章では相続税の申告漏れによる追徴課税が発生した場合の納税方法など、注意点を解説します。

税金の支払いは現金のみとされている

通常の相続税申告の場合、現金での納税が困難な方は、現金の代わりに「物納」という方法を利用することができます。ただし、追徴課税の納付は現金のみで、現物支給はできません。

また原則として一括納付となり、分割納付はできません。

支払いが滞ると、最終的に財産の差し押さえにつながる

追徴課税を支払わない場合、まず督促状が届き、次に差押え通知が届きます。それでも支払わない場合は、財産が差し押さえられます。

差し押さえられるのは、給料(会社員や公務員)・売掛金(会社)・金融資産(預貯金・証券口座)・不動産・動産(車など)・保険金の解約返戻金などです。

自己破産では免責されない

通常の債務(借金)は、自己破産の申し立てをして免責の決定がなされると、支払う必要がなくなります。しかし、税金は「非免責債務」であるため、自己破産しても免責されず、支払わなければなりません。つまり、自己破産をしても、追徴課税を免れることはできないのです。

相続人全員が追徴課税について「連帯責任」を負う

追徴課税された税金は、基本的に相続を受けた人が支払うことになります。しかし、相続税には「連帯納付義務」というルールがあります。

各相続人は「相続によって得られた利益の額」の範囲内で、相続税を連帯して納める義務があるのです。連帯納付義務は追徴課税にも適用されるため、納税義務のある相続人が納税しない場合、他の相続人に納税を求めることがあります。

その場合、相続人同士の関係が大きく悪化するため、注意が必要です。

まとめ

相続税の加算税については、上記で説明したとおりです。追徴課税が行われると、追加で税金が発生し、税務調査への対応など手続き自体に手間がかかります。

追徴課税を避けるためには、相続税の経験が豊富な税理士による相続税申告をあらかじめ行っておくことが望ましいです。また、すでに申告をされている方や、申告をしないまま期限が過ぎてしまい、税務署から連絡があった方、申告をしないことに不安がある方は、早めに税理士に相談されることを強くお勧めします。

税理士によっては、初回相談が無料というところもありますので、まずは遠慮なく相談してみてください。

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ABOUT US
税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。