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国民年金基金の遺族一時金に相続税はかかる?非課税となる条件を解説

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国民年金基金の遺族一時金に相続税はかかる?非課税となる条件を解説

「国民年金基金の遺族一時金は相続財産になる?」
「国民年金基金の遺族一時金が非課税になる条件を知りたい」

国民年金基金に加入している人が年金を受け取る前に亡くなった場合に、遺族に対して一時金が支払われます。
相続が発生した後は何かと物入りになるため、経済的に助かりますね。

では、受け取った一時金は、相続税の課税対象となるのでしょうか?
非課税になるのであれば、その要件があるのかも気になるところですね。

この記事では、国民年金基金の遺族一時金が相続税が非課税になる条件について解説します。
国民年金基金の遺族一時金についての基礎知識や相続税での取り扱いもお伝えします。

国民年金基金に加入している方や遺族一時金について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

税理士桐澤

税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。

国民年金基金の遺族一時金とは

クエスチョンマークの積み木の画像

国民年金基金の遺族一時金とは、国民年金基金に加入していた人が年金を受け取る前に亡くなった場合に、遺族に支給される一時金をいいます。

加入者の死亡リスクに対する保障として機能し、遺族の生活を保障することが、国民年金基金の遺族一時金の目的です。

一時金の額は、加入した年齢や亡くなったときの年齢、亡くなるまで掛金を納めた期間に応じて変わります。

なお、国民年金基金とは、国民年金の第1号被保険者を対象とした任意加入の私的年金制度です。
自営業者やフリーランスの人は、老後の生活設計に不安を感じる方も少なくありません。
国民年金基金は、上記のような人の経済的な不安感や負担を補完する役割を担っています。

そのため、国民年金基金に加入できる人は以下に限られています。

  • 国民年金第1号被保険者
  • 60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している者
  • 海外居住者で国民年金に任意加入している者

非課税となる条件

国民年金基金の遺族一時金は、非課税となります。
したがって、非課税になるための条件は特にありません。

国民年金基金の遺族一時金は、国民年金法第25条などにおいて、「租税を課すことができない」と定められています。
【国民年金法第25条】
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。

上記に基づき、国民年金の遺族一時金は非課税となります。

一方で、企業年金基金の遺族一時金は、課税対象となるため注意が必要です。
【企業年金基金とは】

  • 企業が従業員のために設ける年金制度
  • 厚生労働大臣の認可を受けて設立する法人(企業年金基金)を通じて運営
  • 主な種類に確定給付企業年金、確定拠出年金などがある

企業年金基金で支給される遺族一時金は、みなし相続財産として相続税の対象となります。

自分が加入している年金基金が務めていた企業などに属する基金である場合は、課税対象になるため注意してください。

国民年金基金の遺族一時金の基礎知識

家計管理イメージ

ここでは、国民年金基金の遺族一時金の基礎知識についてお話します。
受け取れる遺族や必要書類など、実際に受け取るときに知っておくべき情報をまとめているので、参考にしてくださいね。

受け取れる遺族と優先順位

国民年金基金の遺族一時金を受け取れる遺族は、以下に限定されています。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. 生計維持関係にあるその他親族(生計維持証明書が必要)

上記のうち、若い番号の遺族が優先的に遺族一時金を受け取ることが可能です。

また、遺族一時金を受け取るには死亡時に生計を一にしている必要があります
たとえ法律上の遺族であっても、死亡時に生計を別にしてた場合には、遺族一時金を受け取ることはできません。

支給額

国民年金基金の遺族一時金の支給額は、以下により決まります。

  • 加入時の年齢
  • 死亡時の年齢
  • 死亡時までの掛金納付期間
  • 加入していた年金の型

たとえば、30歳で終身年金A型に加入して69歳で亡くなった場合は、243万円が支給されます。
加入期間が短いと、遺族一時金の支給額が払込掛金の総額を下回ることもあります。

また、保証期間のない終身年金B型にのみ加入していて、年金受給前に死亡した場合は、1万円の支給です。
15年未満の加入期間で基金を脱退した場合には、国民年金基金連合会から遺族一時金が支払われます。

国民年金基金の遺族一時金の手続きの必要書類

国民年金基金の遺族一時金の支給手続きに必要な書類は、以下の通りです。

  • 国民年金基金遺族一時金請求書
  • 戸籍謄本や除籍謄本(死亡日および続柄確認のため)
  • 死亡者と請求者の住民票(生計同一確認のため)
  • 死亡された方の年金証書
  • 請求者の本人確認書類
  • 請求者名義の預金通帳またはキャッシュカードのコピー(振込先確認のため)

上記の書類を準備したら、国民年金基金または国民年金基金連合会に提出します。

国民年金基金の遺族一時金に関するよくある質問

家の模型とお金と計算機

最後に、国民年金基金の遺族一時金に関するよくある質問についてまとめました。
疑問点を解消し、スムーズに一時金を受け取れるようにしましょう。

請求期限はある?

国民年金基金の遺族一時金の請求期限は、亡くなった日から5年以内です。

加入者が亡くなった場合でも、国民年金基金から遺族に通知や連絡が来ることはありません。
遺族側から、国民年金基金に連絡を取る必要があります。

国民年金基金へは、以下の方法で加入者が亡くなったことを伝えます。

方法手続き内容
Web全国国民年金基金の公式サイトの「Webから申請」フォームに必要事項を入力し、送信
国民年金基金加入員の方が亡くなられたとき
電話お客様相談センターに電話をして、死亡の旨を伝える
お客様相談センター
・0570-008-002もしくは03-6804-2202
・受付時間 平日 9:00~17:00

連絡を受けた後、国民年金基金は遺族の方に対して、手続きに必要な届出用紙を送付します。

亡くなった日から5年を過ぎた場合には、遺族一時金が時効となり支払いを受けられなくなります
国民年金基金に加入している人が亡くなった場合には、速やかに遺族側から連絡をしましょう。

国民年金死亡一時金と同じ?

国民年金基金の遺族一時金は、国民年金の死亡一時金とはまったくの別物です。
名称が似ているため、混同しがちですが別物であると覚えておきましょう。

制度特徴加入義務
国民年金・20歳以上60歳未満のすべての人が加入義務を負う・公的年金強制
国民年金基金・国民年金(基礎年金)に上乗せして給付を受けられる制度・私的年金任意

国民年金は20歳以上のすべての国民が加入する必要がある、強制加入の制度。
一方で、国民年金基金は自営業者やフリーランスの人に向けた任意の制度です。

国民年金の死亡一時金は、公的年金の一部となります。
また、死亡一時金が支給されるには36ヶ月以上の保険料の納付や老齢基礎年金・障害基礎年金を受給していないことが必要です。
請求期間も国民年金基金よりも短く、加入者の死亡日から2年以内となっています。

まとめ|国民年金基金の一時金にかかる相続税は非課税

女の人が書類について説明している画像

今回は、国民年金基金の遺族一時金の相続税での扱いについてお話ししました。
国民年金基金の遺族一時金にかかる相続税は、非課税です。

国民年金基金の遺族一時金は、非課税となるための要件はありません。

一方で、加入している年金制度が企業年金基金である場合には、みなし相続財産として相続税の対象となります。

国民年金基金の遺族一時金は、死亡日から5年以内の請求期限があります。
期限を過ぎると遺族一時金が受け取れない可能性があるため注意してください。