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内縁の妻の意味とは?法律上の妻との違いを詳しく紹介!

日本では異性同士で入籍すると、法律婚として婚姻関係が法律上でも認められています。日本では法律婚は民法で定義されており、婚姻届を提出しなければ法律上の「夫婦」には認められません。

しかし、法律婚では同性同士の結婚は認められていなかったり、戸籍をともにし、一方の方が姓を変更する必要があることから、あえて入籍はせずに「内縁関係」となる方もいます。

内縁関係で女性のパートナーのことを、「内縁の妻」と呼ぶことがありますが、具体的にはどのような意味で使われるでしょうか。この記事では内縁の妻について、法律上の妻と比較しながら詳しく解説します。

「内縁の妻」とは

「内縁の妻」とは、法律婚をしていない事実婚状態にいる女性側のパートナーを意味します。この章では内縁の妻の立場について、事実婚の概要にも触れながら解説します。

内縁の妻と事実婚の概要

内縁の妻は事実婚状態にある女性パートナーを意味します。 事実婚とは婚姻届を提出しておらず、法律上では夫婦・配偶者としては認めていない関係です。

「婚姻に準じた状態」と表現されることもありますが、外から見れば結婚している夫婦に見えるため事実上の婚姻関係として「事実婚」と表現されています。

内縁関係、と呼ばれることもありますが、法律上で内縁関係や事実婚に関する定義はありません。ただし、損害保険や生命保険などでは内縁関係にあるパートナーのことを定義した上で、法律上の配偶者と変わらない対応をすることがあります。では、どのような定義でしょうか。

内縁の妻と認められる条件とは

内縁の妻は、ただ男女がともに暮らせば認められるものではありません。ここでは一般的に保険会社が内縁関係と認める条件を例に解説します。

保険会社などが内縁の妻と認める条件

一般的に多くの保険会社は内縁関係を以下のように定義しており、該当する女性パートナーを「内縁の妻」と認めています。

・婚姻届は提出していないものの、結婚の意思を持って夫婦生活を送っていること
・社会的に夫婦と認められる生活の実態があること

婚姻意思と夫婦共同生活の実態があれば内縁関係と認められており、社会保険上の「被扶養者」になることも可能です。

一般的に長期間の同居生活があれば内縁関係と認めやすくなっていますが、結婚式を挙げたり内縁の妻と多くの方に紹介している実態があれば、内縁の妻と認められる可能性もあります。内縁関係は「婚姻関係に準ずる関係」であるという最高裁判決もあります。
(最判昭和33年4月11日 民集12巻5号789頁より)

法律婚上の妻との違いとは?

損害保険や生命保険、社会保険上などでは内縁関係であっても法律婚上の妻と同等の扱いをすることが可能です。しかし、入籍をしていない内縁関係と法律婚では、明確な違いもあります。この章では法律上の婚姻をした妻と、内縁の妻の違いを紹介します。

内縁の妻は相続人にはなれない

配偶者が死去すると法律婚上の妻は常に法定相続人となり、相続権を得ます。 しかし、内縁の妻は法律上の妻とは認められておらず、原則として相続人にはなれません。

たとえば、長年内縁関係として内縁の妻が内縁の夫名義で貯金していたとしても、貯金を相続する権利がないのです。

しかし、相続以外の方法で財産を残せるしくみがあります。詳しくは後述します。

戸籍や住民票の扱いが異なる

法律婚をすると、夫婦いずれかが改姓を行い、一方の姓を名乗るようになります。改姓する方はそれまでの戸籍から除籍し、一方の戸籍に入るため結婚することを入籍、と表現します。

戸籍は夫婦単位で作られるため、夫婦単位の戸籍が新たに作られますが、内縁関係の妻は入籍はしていないので、戸籍の移動は生じません。

住民票上も続柄を表示する項目が設けられており、法律婚上の夫婦は夫、妻と表示されます。(世帯主となる方は世帯主、と表示されます)

住民票の表記は希望すれば「夫(未届)」や「妻(未届)」と表示することもできます。未届とは婚姻届を提出していないことを意味します。

生まれた子どもの戸籍はどうなる?

法律婚の夫婦間で子どもが生まれた場合は「嫡出子」として扱い、父子関係が明らかであるため戸籍上でも夫が法律上の父となります。

内縁関係の場合、内縁の妻は出産しているため子どもの母親であることが明らかであり、親権を得るため母親の戸籍に入りますが、父親の方は認知をしなければ父親を名乗れません。

この状態の子どもは「非嫡出子」として扱われ、相続権がありません。父子関係を法律上で認めてもらうためには、父親が「子の認知」を行う必要があります。

「子の認知」をするためには、以下の方法が挙げられます。

・認知届を市区町村に提出する
・遺言書で子の認知をする
・父親が認知しない場合、認知調停を家庭裁判所に申立てする

なお、すでに父親が死去している場合は死後3年以内であれば認知の訴えを起こすことも可能です。(民法787条)

内縁の妻になるメリット・デメリットとは

内縁の妻は法律婚をしている普通の妻と比べると立場が不安定です。相続権はなく、内縁関係の間で生まれた子は認知がなければ法律上の父親がいないことになります。

では、内縁の妻になるメリットとはどのようなものでしょうか。この章ではデメリットも交えてわかりやすく整理します。

メリット:別性を名乗ることが可能

事実婚であれば、入籍をしないため改姓する必要がありません。近年話題になることが多い夫婦別姓問題にも通じますが、改姓をするとさまざまな手続きを行う必要があります。

運転免許証や仕事上の名前の変更、クレジットカードなどの氏名変更なども必要です。事実婚であればこうした細やかな変更手続きはいりません。

また、すでに自身の名前で仕事上の立場を確立している場合、改姓は不利に働く可能性もあります。

メリット:社会保険上の保護は受けられる

事実婚でも社会保険上の扶養に入れ、受取人になることなども可能です。一定の保護は受けられるため、結婚にまつわる手続きをしなくても、一定のメリットがあります。

メリット:親族間トラブルに巻き込まれにくい

内縁の妻は相続権を持たず、相手の戸籍にも入りません。内縁の夫側と親族にならないため、親族間のトラブルに巻き込まれにくいというメリットもあります。夫の両親や兄弟姉妹とも距離を保ちやすいため、あえて内縁関係となるケースも少なくありません。

デメリット:配偶者でなければもらえない権利がある

先に触れたように、内縁の妻は法律上の妻ではないため相続権をもちません。財産を相続時に承継するためには、遺言書などの対策を講じる必要があります。

デメリット:税金の控除が受けられない

法的な夫婦関係が認められていないと、以下の控除が受けられません。

・所得税、住民税における配偶者控除ができない
・所得税、住民税における医療費控除が受けられない
・相続時の基礎控除にカウントされず、配偶者控除も受けられない

デメリット:病気の時に苦労するケースも多い

内縁の妻は、内縁の夫が病気の際に苦労をするケースも多くなっています。手術、療養や面会などのさいには、戸籍上で証明できる家族にサインを求めることが一般的であり、内縁の妻は断られることがあります。

実際に新型コロナウィルスの感染拡大期には苦労をされた方も少なくありません。
内縁の方がサインをするためには、その他の家族の同意が難しい事実や、内縁関係を証明する(例・住民票などの取得)必要が多いでしょう。

内縁の妻に財産を残す方法とは?


内縁の妻に財産を残すためには、法定相続人ではないことを踏まえて準備を進める必要があります。主に以下の方法が考えられるため、早めに対策を講じましょう。

内縁の妻に財産を残す方法 必要な手続き
遺言書 遺言書を生前に作成する
贈与 生前に内縁の妻へ財産を贈与する
特別縁故者の申立 家庭裁判所に内縁の夫の死去後に申立てする
生命保険の受取人指定 加入している生命保険の死亡保険金の受取人指定を内縁の妻にする

相続続人にはなれなくても、内縁の妻が財産を受け取る方法はあります。しかし、遺言書の作成にはさまざまな配慮が必要であったり、贈与には贈与税や贈与契約書などに注意も必要です。

財産の遺し方については、生前に法律の専門家に相談の上で決めることがおすすめです。

まとめ

本記事では「内縁の妻」に焦点を当て、法律婚ではないメリット・デメリットや、内縁の妻への財産の遺し方などを紹介しました。

内縁の妻は法律上の配偶者が有する相続権がありませんが、贈与や生命保険の活用などの方法で財産を託すことが可能です。

ただし、知っておきたい税金の注意点などもあります。まずはお気軽に税理士にご相談ください。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。