
身内が亡くなって、財産を引き継ぐ事になったものの、相続税についてどうすれば良いか分からない。税理士に相談したいけど、どの税理士にお願いするべきか自分では判断できない。そんな悩みを持っている方がいらっしゃるかと思います。
今日はそんな方のために、税理士紹介会社の元社員の方に聞いた相続専門税理士の選び方について解説いたします!
この記事の監修者

税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。
相続専門税理士とは
相続専門税理士とは、その名の通り相続税の申告を専門とする税理士の事です。
税理士は全員税金のプロフェッショナルだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は税理士にも専門分野があります。
下記のようなことを書いているブログや記事もありますが、このような認識には注意が必要です!
税理士としてのキャリアが長くても、専門分野ではない税金の事については対応できません。
所得税を専門としている税理士に相続税の相談をしても、そもそも依頼を引き受けてくれないのです。
これは、あまり正しい認識ではありません。医者であれば「専門分野ではない診療科については対応できません」という認識が正しいです。
しかし、税理士の場合専門分野ではない分野の税金(例えば相続税)でも、依頼を引き受ける場合がほとんどです。
なぜかと言うと、少なく税金を申告した場合には、税務調査で指摘をされ、追徴課税を課されますが、多く税金を支払った場合には何も指摘を受けないからです。
そのため、自分の専門外であっても相談を受けて申告をしている場合があります。
それにより、本来は節税できるにも関わらず、知識がなかったせいで多く税金を支払わなければいけなくなってしまったケースが非常に多いです。
特に相続税については、他の税金に関する申告よりも入念にリサーチを行い、適切な税理士を選ぶ必要があります。
なぜなら、相続税の申告件数は所得税や法人税と比較すると、圧倒的に件数が少ないためです。
件数が少ないという事は、それだけ相続税申告の実務経験がある税理士が少ないという事です。
この実情を理解していないと、正しい相続税申告ができません。
税理士には専門分野があり、その中でも相続税を専門とする税理士に依頼する必要があることを覚えておきましょう。
相続専門税理士を選ぶ際のポイント
相続専門税理士を選ぶ際には、確認すべきポイントがいくつかあります。
一つは、その税理士が本当に相続税を専門として取り扱っているかという事です。税理士業界も決して安定しているわけではありません。
案件を多数こなすために、本当は所得税を専門としているにも関わらず、相続税専門と謳っている場合があります。
その税理士及び税理士法人のホームページから相続税申告の実績を確認したり、インターネット上の口コミをチェックしたり等、実態をしっかりと確認しましょう。
もう一つは、相続税の書籍を出版しているかどうかという事です。
一般的に、相続税を専門とする税理士及び税理士法人は、相続税の書籍を出版している場合が多いです。
書籍の出版はハードルが高く、相続税の専門的な知識や実務経験のない税理士が書籍を出版する事はできません。
その書籍が正式な出版社から発売されており、それなりの売り上げや評価がある事が確認できれば、その税理士は信頼できる可能性が高いと言えるでしょう。
また、税務調査が頻繁に実施されているかどうかという点も確認すべきです。
これは相続税以外の税理士についても言えますが、税務調査が多いという事は、国税局に指摘されるような処理を多発しているという事ですので、そういった税理士は避けた方が良いでしょう。
相続専門税理士の探し方
相続専門税理士の探し方は、いくつかあります。
一つは、インターネット上で調べる方法です。
「相続税専門税理士」というキーワードで探せば、あらゆる税理士や税理士事務所のホームページに辿り着きます。
上記に記載したポイントに留意しながら、信頼できそうな税理士を見つけましょう。
最近は初回の相談を無料で行っている税理士事務所が増えてきているため、まずは無料相談を実施してみて判断するのがおすすめです。
その際にトータルでかかる費用を確認しておきましょう。
ホームページに記載されている料金形態が不明瞭で、依頼後に追加報酬を請求されるといったケースもあるようですので、必ず口頭でも確認すべきです。
不安な方は、万が一に備えて、料金を確認した際の会話を録音しておくと良いです。
トラブルが発生した際に、証拠があると強みになります。もう一つの探し方は、知人からの紹介です。
インターネットで探すのは不安だと感じる方もいらっしゃるかと思います。信頼できる知人に紹介してもらった税理士なら、安心感があります。
知り合いを経由しているという理由から、いつも以上に丁寧な仕事をしてくれる可能性も高いです。
自分のリサーチ力に自信がない方はこちらの方が良いかもしれません。
ただし、知人から紹介してもらう場合でも、費用に関しては必ず入念に確認しましょう。知人を介しているにも関わらずトラブルになると、その知人との関係も壊れかねません。
どちらの場合でも、費用に関しては特に留意しながら税理士を探しましょう。
相続専門税理士に依頼するメリット
相続税の申告について、自分でやろうと思えばできますが、相続専門税理士に依頼した方が良いです。
相続専門税理士に依頼するメリットはいくつかあります。一つは、正確な申告手続きをしてもらえるという事です。
相続税に関しては、専門的な知識が必要です。税務関連の仕事を経験した事がない人が自力で相続税の申告手続きを行うには、かなりの労力が必要になります。
相続税とは何か、どういった場合にどのような処理が必要なのか等、一つ一つ丁寧に確認していくといくら時間があっても足りません。
しかし、相続専門税理士に依頼すると、報酬さえ払えば全てやってもらえます。手間がかからず正確な手続きを代行してもらえるのであれば、全て任せた方が楽です。
メリットは他にもあります。それは、税務調査の対応までお願いできる事です。
自分で申告手続きを行う場合、処理が誤っている可能性が非常に高いため、高確率で税務調査が実施されます。
その際、果たして自分だけで適切な対応ができるでしょうか。
税理士への報酬を節約したことで、重加算税等のペナルティが発生し、結果的に支出が多くなる場合があります。
そういったケースもありますので、相続専門税理士に依頼する方が良いでしょう。
相続専門税理士の選び方のまとめ
本日は相続専門税理士の選び方についてご紹介しました。
まとめると、
- 税理士には専門分野があるため、相続専門税理士に依頼する
- その税理士が本当に相続税を専門としているか、相続税に関する書籍を出版しているかを確認する
- インターネットや知人の紹介で探すのが良いが、その際に費用について入念に確認する
- 相続税申告は自力でもできるが、正確性や税務調査までの対応といったメリットがあるため、相続専門税理士に依頼した方が良い
といった内容になります。
相続税は税金の中でも特殊な部類ですので、トラブルに巻き込まれないためにも、しっかりと調べてから相続専門税理士に依頼するようにしましょう。
この記事が、相続専門税理士を選ぶ際に少しでも参考になれば幸いです。

戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。
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