相続税を実際より多く納めていたと、後から気づく方は少なくありません。
「払いすぎた分を取り戻したい」「更正の請求書を作りたいけれど、どこに何を書けばいいのか分からない」。
そんなときに役立つのが、更正の請求という手続きです。
このページでは、相続税の更正の請求書をすぐに作れるエクセルの様式(テンプレート)を無料でダウンロードしていただけます。
あわせて、更正の請求とはどんな手続きなのか、書き方の手順や提出期限まで、相続にくわしい税理士がやさしく整理しました。
まずは様式を手元に用意しながら、順番に確認していきましょう。
この記事の監修者

税理士 桐澤寛興
戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。
更正の請求書エクセルテンプレート【無料ダウンロード】

まずは、更正の請求書を作成するためのエクセルシートを、下のボタンから無料でダウンロードしてください
このエクセルシートの特徴は、次の3点です。
・国税庁の様式と同じ体裁をもとに作成
・数式のロックなしで、状況に合わせて自由にカスタマイズ可能
・オフラインでも、パソコン上で入力・印刷が可能
エクセルなので、入力した内容の修正や調整も手軽です。
入力した内容は、印刷して提出書類の作成に活用できます。
提出前には、記載内容に過不足がないかをご確認ください。
ただし、更正前後の税額計算の明細や、請求理由を裏づける資料が別途必要になることも。
提出前に、国税庁の最新様式や記載要領もあわせてご確認ください。
※このシートは相続税の更正の請求を想定した内容です。
所得税や法人税など、ほかの税目については国税庁が税目ごとの様式を公開しているため、そちらをご利用ください。
※ファイル内の氏名や個人番号などは入力例です。使う際はご自身の情報に置き換えてください。
更正の請求とは?払いすぎた税金を取り戻す手続き

更正の請求とは、申告書を出したあとに「税額を多く申告しすぎていた」と気づいたとき、正しい金額への訂正を求める手続きです。
請求の内容が認められると、税務署が減額の更正を行い、納めすぎた税金が戻ってくる場合があります。
相続税では、遺産の評価をやり直して財産の価額が下がったときや、あとから債務が見つかったときなどが代表例です。
「税金を払いすぎたかもしれない」と感じたときに、その分を取り戻すための手続き。そうイメージすると分かりやすいかもしれません。
修正申告との違い
似た言葉に「修正申告」があります。
両者は向きが反対の手続きです。
| 手続き | どんなとき | 税額の動き |
|---|---|---|
| 更正の請求 | 税額を多く申告していたとき | 減る(還付される場合がある) |
| 修正申告 | 税額を少なく申告していたとき | 増える(追加で納める) |
払いすぎを取り戻したいときは更正の請求、不足を自分から直したいときは修正申告、という整理になります。
認められれば納めすぎた税金が戻る
更正の請求書を提出すると、税務署がその内容を確認します。
納めすぎの税金があると認められた場合などには、減額の更正が行われ、税金が還付される流れです。
処分の内容は、請求した方に通知されることになっています。
ただし、請求すれば必ず認められるわけではありません。
理由の裏づけとなる資料をそろえ、根拠を示す準備が欠かせません。
更正の請求書の書き方(3ステップ)

ダウンロードしたエクセルシートを使った、基本的な作成の流れです。
ステップ1:「入力」シートを開く

ダウンロードしたファイルには、「入力」と「請求書」の2つのシートがあります。
書き込むのは「入力」シートだけです。
画面下のタブから「入力」を選んで開きましょう。
ステップ2:必要事項を入力する

「入力」シートに、氏名・住所・提出日などの基本情報を書き込みます。
あわせて、添付する書類や、なぜ訂正が必要なのか(更正の請求をする理由)、還付金を受け取る口座も記入しましょう。
この請求理由の部分が、更正の請求ではとても重要です。
入力した内容は、「請求書」シートに自動で反映されます。
提出用の書式は自動で整うため、請求書シートを直接さわる必要はありません。
※ファイル内の氏名・住所・個人番号・口座番号・日付などは、すべて入力例です。実際に使う際は、ご自身の情報に置き換え、サンプルが残っていないかご確認ください。
ステップ3:印刷して提出する

入力が終わったら「請求書」シートに切り替えて印刷し、内容を確認のうえ税務署へ提出しましょう。
提出方法は、書面のほかe-Tax(電子申告)にも対応しています(ただし請求内容によっては、e-Taxを利用できず書面提出になる場合もあります)。
提出の際は、請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」の添付が必要です。
差額の根拠が分かる資料を忘れずに用意しましょう。
相続税の更正の請求は「申告期限から5年以内」

更正の請求には、提出できる期限が決まっています。
相続税の場合は、法定申告期限から5年以内です。
相続税の法定申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内。そこから5年なので、相続開始からおよそ5年10か月が一つの目安になります。
この期限を過ぎると、払いすぎた相続税があっても取り戻せなくなるのが原則です。
土地の評価誤りや特例の適用漏れといった「申告の間違い」も、この5年の枠内で見直すことになります。
心当たりがあるなら、早めに確認しておきましょう。
5年とは別に、相続税には「特則」もあります。
未分割だった遺産の分割や、遺留分侵害額請求により税額が過大になった場合など、法律で定められた特定の事情にあたるときは、5年を過ぎても、その事由を知った日の翌日から4か月以内なら請求できます(相続税法第32条)。
更正の請求で失敗しないための3つの注意点

更正の請求は、書類をそろえて提出すれば必ず通る、というものではありません。
次の点を意識しておくと、スムーズに進めやすくなります。
- 理由を証明する書類をそろえる
更正の請求では、訂正が必要な理由の裏づけとなる資料の添付が求められる。 - 期限に余裕をもって準備する
原則5年という期限があるが、資料集めに時間がかかることもある。 - 偽りの記載はしない
事実と異なる内容で更正の請求書を提出した場合、罰則(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が設けられている。
正確な内容で作成する。
判断に迷うケースや、金額が大きく確実に進めたいケースでは、無理にご自身だけで進めず、税理士への相談をおすすめします。
※本記事は一般的な内容をまとめたものです。
個別の取り扱いや最新の制度については、税務署または税理士にご確認ください。
まとめ:払いすぎた税金は、あきらめる前に確認を

更正の請求は、払いすぎた相続税を取り戻せる心強い手続きです。
一方で、財産の評価をやり直す判断や、請求理由の書き方、証明資料の準備など、専門的な検討が必要になる場面もあります。
横浜の響き税理士法人では、相続税の更正の請求に関するご相談を承っています。
「自分のケースで更正の請求ができるのか知りたい」「書類の準備を手伝ってほしい」。
そうしたお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まずは今回のエクセル様式をお役立ていただきながら、必要に応じて私たちにご相談いただければと思います。

戸田譲三税理士事務所(現税理士法人みらいパートナーズ)、富士通株式会社 社内ベンチャー企業 勤務を経て2004年 桐澤寛興会計事務所 開業その後、2012年に響き税理士法人に組織変更。相続相談者様の悩みに寄り添うサービスを心がけている。

















①確定申告・納税をする
②「税額を多く申告していた」と気づく
③更正の請求書を提出する(原則5年以内・証明書類を添付)
④税務署が内容を確認する
⑤認められれば減額更正
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