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まだ間に合う!相続税の延滞税を少なくする奥の手とは?

税理士友野
税理士友野

相続税額を期限までに納付できなかったときは、納付が遅れた金額と期間に応じたペナルティー(罰金)が課せられます。

相続税額の計算が期限までに完了しそうにないときは、ペナルティーを軽減するためにひとまず法定相続分や概算で申告納付することをおすすめします。もっとも、この場合は申告を二回行う手間が生じることになるので、しっかりと事前に準備をして期限までに申告納付できるようにしましょう。

相続税の申告と延滞金

相続税の申告期限

相続税の申告期限は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内で、相続税額は申告期限までに納付する必要があります。通信技術が発達した昨今では、「死亡したことを知った日」と「死亡の日」はほとんどの場合で同じ日だと考えられるので、相続税の申告期限を被相続人が死亡した日の翌日から10ヶ月以内と考えても問題ありません。

たとえば、被相続人が1月1日に死亡した場合、同年の11月1日までに相続税の申告納付を完了する必要があります。申告だけではなく、納付も期限までに行う必要があることにご注意ください。

相続税のペナルティー

正しい相続税額を期限までに申告納付できなかった場合のペナルティーは、延滞税、無申告加算税、過少申告加算税があります。

それぞれのペナルティーについて簡単に解説します。

延滞税とは

延滞税は利息に相当するペナルティーで、法定納期限までに正しい税額を納付しなかった場合に課せられます。

延滞税の税率は、納期限の翌日から2ヶ月の期間に対応するものは年2.5%、それ以降の期間に対応するものは年8.8%です(2021年の場合)。

無申告加算税とは

無申告加算税は相続税の申告義務に違反したことへの罰金に相当するペナルティーで、法定申告期限までに申告を行わなかった場合に課せられます。

無申告加算税の税率は、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%です。期限までに申告納付をしなかったときは、無申告加算税に加えて延滞税も課せられます

なお、「納税はしたが申告書の提出を忘れた」という場合でも原則として無申告加算税は課せられてしまいますが、申告期限から1ヶ月以内に申告書を提出すれば期限後の申告であっても例外として課せられません。また、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

過少申告加算税とは

過少申告加算税は正しい税額を申告納付する義務に違反したことへの罰金に相当するペナルティーで、納付した税額があるべき税額よりも過小だった場合に課せられます。

過少申告加算税の税率は、過少だった税金の10%相当額ですが、過少だった税額が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。申告期限までに申告納付をしても、その税額が過少だったときは、過少申告加算税に加えて延滞税も課せられます

なお、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば過少申告加算税は課せられません。ただし、延滞税は課せられますのでご注意ください。

申告期限までに間に合わない場合の手段

無申告のまま放置してはダメ

申告期限までに相続税額の計算が終わらなかったからといって無申告のまま放置すると、上述した延滞税と無申告加算税が課せられることになります。

たとえば、納付すべき相続税額が100万円で申告期限の1年後に全額を納付したとすると、延滞税の金額は約77,400円、無申告加算税の金額は175,000円ですから、合計すると252,400円となります。申告期限内に申告納付をしておけばこの金額を支払わなくてもよかったことを考えると、無申告のままで放置することがどれだけ損かをお分かりいただけると思います。

では、申告期限までに相続税額の計算が終わらなかった場合、どうすればよいのでしょうか。取りうる手段としては、「法定相続分で申告する」のと、「概算の金額で申告する」の二つがあります。

それぞれの手段について簡単に紹介します。

法定相続分で申告する

法定相続人ごとの相続税額は、被相続人の課税遺産総額を法定相続分どおりに取得したものと仮定して、それに税率を乗じて各法定相続人の仮の税額を算定し、その合算値を実際に取得した正味の遺産額の割合に応じて按分するというステップで計算します。もっとも、遺産分割協議は終了したものの実際に取得した正味の遺産額の計算が申告期限までに間に合わないという場合もあるでしょうから、そういった場合はいったん法定相続分で申告納付することをおすすめします。

たとえば、法定相続分で計算した場合の相続税額の合計額が90万円で、実際に取得した正味の遺産額の割合で按分した場合の相続税額の合計額が100万円だった場合を考えてみます。

この場合、差額の10万円に対して過少申告加算税と延滞税を課せられますが、追加的に支払うべきペナルティーは無申告のままでいるよりもかなり軽減されます。相続税額の合計額を100万円とした修正申告書を申告期限の1年後に提出し、差額の10万円を同日に納付した場合、課せられる過少申告加算税の金額は10,000円、延滞税の金額は約7,700円ですから、合計すると17,700円となります。

同じ100万円の相続税額でも、ペナルティーの金額は無申告のままでいた場合と比べるとかなり軽減されることがお分かりいただけると思います。

概算の金額で申告する

遺産分割協議は終了したものの、被相続人の債務の額が確定しないなどの理由で被相続人の課税遺産総額が申告期限までに計算できないときは、ひとまず概算の金額で申告することをおすすめします。申告期限までに概算の金額を計算し、それに基づいて申告納付すれば、無申告加算税は課せられなくなり、延滞税の金額も無申告のままでいるよりも少なくて済みます。

たとえば、概算で計算した場合の相続税額の合計額が90万円で、正しく計算した場合の相続税額の合計額が100万円だった場合、課せられるペナルティーは上記の「法定相続分で申告する」ときと同じです。また、概算で計算した場合の相続税額の合計額が正しく計算した場合よりも多かったときは、「更正の請求」という方法によって払いすぎた相続税額の還付を受けることも可能です(この場合、過少申告加算税も延滞税も課されません)。

なお、概算の金額で申告する場合、その計算の結果が正しく計算した場合の結果と一致することは稀でしょうから、申告作業を二回(当初申告と修正申告または更正の請求)行う必要が生じます。その分手間や税理士へ支払う費用も増えますので、「概算の金額で申告する」という手段は最終手段だとお考えいただくのがよいかと思います。

まとめ

相続税の計算が申告期限までに間に合わない場合、最もやってはいけないのが「無申告のまま放置する」ことです。期限までに完全な計算ができなくても、ひとまず概算で相続税の申告書を提出するとともに相続税額を納付すれば、無申告であることに対するペナルティーを避けることができます。

もっとも、概算で申告・納付をすると申告期限後にもう一度計算や納税を行う手間も生じますので、出来るのであれば申告期限までに計算と納税を間に合わせることが理想です。申告期限ギリギリになって慌てないよう、相続が発生したらすぐにお近くの税理士へ相談されることをおすすめします。

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ABOUT US
税理士 友野祐司
税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社、相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートをを行っています。どこよりも、素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。